賃貸経営の収支が家計に
どう影響するのか考える

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賃貸経営を行う決断をする前に、持ち家がいくらで貸せるのか、収支とそれが家計にどう影響するのかを冷静に確認しよう。それによっては、売ったほうが正解という場合もある

いくらの家賃で貸せそうか目安を立てる

まずは、いくらくらいの家賃で貸せそうか、目安を自分で立てることが大切だ。『SUUMO』や、持ち家の周辺にある不動産会社の情報などで、同じタイプの家の家賃相場がいくらなのかを知ることから始めよう。

■家賃相場に影響する主な要因

都心からの距離 都心に近いほど相場が高い。
最寄駅からの距離 最寄駅に近いほど相場が高い。徒歩圏のほうがバス利用圏の家より相場が高い。
利便性 急行停車駅、駅前の商業施設が充実などの利便性が高いエリアは相場が高い。
建物の構造 構造が堅固なほうが相場が高い。耐震性能も相場に影響する。
住宅設備 高性能の設備が充実していると相場が高い。
築年数 新築や築浅のほうが相場が高い。
貸し出し時期 入居希望者が多い時期(1~3月)は相場が高い。

賃貸経営の収支について検討する

次に、貸し出した場合の収支について検討しよう。賃貸経営をすると家賃収入を得られるが、維持費や税金などの支出も生じる。事前に収入と支出のバランスがどうなのかを、おおまかに試算しておくとよいだろう(支出についての考え方は、「知っておくべきお金の常識」も参照)。貸し出しても利益が思ったほどないという場合も考えられる。あらかじめ収支を把握しておくことが重要なのだ。
アンケートでは、「貸し出し前に不安を感じていたか?」の質問に「納得のいく家賃で貸せるか、いくらで貸せるか」の回答が55.6%(複数回答)あった。そうした不安はなるべく取り除いておきたい。

賃貸経営の収入と支出には次の種類がある。

定期的な収入

家賃
常に入居者がいるとは限らないので、少なめに見積もっておくほうがよい
管理費(共益費)
家賃に含む場合も多いが、家賃とは別に受け取ることも(地域の慣習等によって異なる)

一時的な収入

礼金
一般的に家賃の1カ月もしくは2カ月分程度の場合や、ゼロのケースも
更新料
更新後の新家賃1カ月分という例が多い。更新料なしのケースも
敷金(保証金)
家賃滞納や入居者の故意・過失による損傷の修繕費の担保のため、貸主が入居者(借主)から預かるお金。家賃の1カ月もしくは2カ月分の場合が多い
退去時に入居者に返金するので、収入とは分ける必要がある

定期的な支出

  • 固定資産税・都市計画税
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
  • 該当物件のローン返済
  • 管理委託費

不動産管理会社に入居者管理や建物管理を委託する場合に生じる。自分で行う場合は不要。家賃の5%程度としている会社が多いようだが、管理業務内容や物件種別などによって委託費が異なる

一時的な支出

リフォーム・ハウスクリーニング費用
設備の突発的な故障や、入居者の退去時に発生(入居者の故意や過失による損傷は入居者負担)
仲介手数料
入居者を募集して契約した際に発生

上記を踏まえた上で、次のような観点で家計に及ぶ影響を確認したい。

■毎月&年間の家計への影響は?

毎月&年間の家計への影響は?

(実際の家賃決定の流れについては「家賃査定の結果を精査して仲介会社を決める」を参照)

リクルート「賃貸オーナーに関するアンケート」調査概要
※アンケート対象者:
  • (1)居住用に購入した自己所有の家を賃貸に出している人
  • (2)土地活用のためアパートマンションを建てて賃貸経営をしている人
  • (3)投資用にマンションを購入して賃貸経営をしている人
  • ※回答数:412人
  • ※実施期間:2012年5月19日~21日
  • 実施エリア:東京、神奈川、千葉、埼玉
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マンション・アパート経営はじめてマニュアル

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文/金井直子 監修/中村喜久夫(株)不動産アカデミー

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