原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(ゲンジョウカイフクヲメグルトラブルトガイドライン)の意味・解説

賃貸住宅の退去時において、契約上、借主に「原状回復義務」がある場合が多い。ただ、どの範囲までが義務なのかは明確ではなく、非常にトラブルが多い。
そのため、双方どちらが負担するのかなど、原状回復についての一般的なルールを知っておくことがとても重要である。
こうした背景から、1998年、建設省(当時)は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表し、以降も数度改訂が行われている。このガイドラインは、法的な強制力はないが、敷金返還等のトラブルにおいても、これを判断基準として処理されている場合が多い。
このガイドラインでも触れられているが、こうした退去時のトラブルを未然に防ぐためにまず大事なのは、賃貸借契約の締結時に家主と借主の双方で原状回復のルールについて合意しておくことだとしている。
2011年には、このガイドラインのさらなる普及促進を図るため、トラブルの未然防止に関する事項について、契約時に添付する原状回復の条件や原状回復のための費用請求の際の精算明細書などの雛形等が追加されたほか、残存価値割合の変更や、Q&A、裁判事例が追加された。
2020年4月には、賃借人が賃借物を受け取った後に生じた損傷について原状回復義務を負うこと、しかし、通常損耗や経年変化については原状回復義務を負わないことが民法に明記された。

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