イオニア式

イオニア式(イオニアシキ)の意味・解説

イオニア式とは、古代ギリシアの建築様式のひとつで、中期ころの様式とされている。イオニアとはギリシア本土ではなく、エーゲ海をはさんだ対岸で、ギリシア人が植民したミレトスなどの都市がある地域のことで早くから交易が盛んなことで知られる。イオニア式建築の特徴は、基壇の上に基盤(バシィス)をもち、柱頭は蝸牛のような2つの渦巻き装飾をもつことである。そこから「優雅」と表現されることが多い。代表例としては、アテネのアクロポリスにあるエレクティオン神殿は、イオニア式の建築様式が用いられている代表的建築である。ドーリア式、コリント式と並び、古代ギリシアの主要な建築様式とされている。こうしたギリシア建築は、紀元前9世紀ごろから紀元1世紀ごろにかけ、ギリシャ、イタリア南部、南フランスといった地中海~黒海沿岸を中心に用いられた。

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