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- ●所在地：東京都大田区
- ●築年数：築28年
- ●間取り：1K／約27㎡
- ●家賃：5万円（管理費込み）
- ●入居時期：2012年8月
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昼は会社員として働き、夜は建築の学校に通っているMさん。建築のなかでも特にリノベーションに興味があり、夢は古民家の再生を手がけること。築28年の自宅アパートを使った今回のカスタマイズは、将来に向けた予行演習でもあったという。畳を剥がして床板を張り、土壁を白いペンキで塗り替え、二間の仕切りを取り払って広いワンルームに変更。完成までには約2カ月を要した。「建物自体が古い上に、私の部屋は長い間誰も住んでいなかったので、最初に見たときは全体的にボロボロな状態でした。改修する前にいったん骨組みだけの、いわゆるスケルトン状態にする必要があったのですが、ホコリまみれになりながら壁紙を剥がしたりする作業は大変でしたね。実際に体験してみると、リノベーションってこんなに大変なのかと……」（Mさん）
築古の物件には住んだことがなく最初はかなり抵抗があったが、改修への思いが勝ったという
現在、夜間の建築学校に通うMさん。今回のセルフリノベーションは初めての“実践”となった
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だが、幸いにもMさんには身近に強力な助っ人がいた。同じ建物の、向かいの部屋に住むお兄さんだ。「この建物は、もともと木工家具職人の兄が自宅兼工房として使うために借りた場所なのですが、部屋も余っていましたし、自由に改造できるということだったので私も住むことにしたんです。兄は木工のプロなのでこういった改修はお手の物ですし、兄の職業訓練校時代の友達にもかなり手伝ってもらいました。なかには工務店に勤めていた人や配線の資格をもつ人もいて、専門的なアドバイスがもらえたりして助かりましたね」
ドアや壁、天井は友人と一緒に楽しみながらペンキを塗った。作業をイベント化してしまうのも改造を楽しむコツかもしれない
3階にはお兄さんの工房があり、木材の加工もできる
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大がかりな改修で雰囲気は一変したが、一部には古い物件ならではの面影も残している。「昔ながらの家屋の雰囲気が好きなので、アンティークな照明などはあえてそのまま残しています。張り替えた床も古い家の空気感になじむよう、色合いなどはけっこうこだわりました」。また、キッチンもほとんど手は加えていないという。「キッチンは大家さんが新しいものに変えてくれると言ってくださいましたが、きれいに掃除してみたら意外とレトロなかわいい雰囲気だったのでそのままにしてもらいました。設備自体は古いですけどかなり広いし、ガスオーブンもついていて思いっきり料理ができそうなところも良かったですね」
古い質感や手触りが好きというMさん。レトロな雰囲気の照明器具はそのまま残した
徹底的に磨いてきれいにしたキッチン。このサイズのアパートでは考えられないほど広く、使い勝手がいいという
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ちなみに、これだけ手を加えても、改修費用はわずか5万円程度だという。手先の器用な仲間たちに手伝ってもらったことで人件費はゼロ。材料もネットで安いものを探し、一度に大量購入するなどして単価を抑えた。「ペンキは中古品なら半額くらいで買えます。木材は発送してもらうと高いので、千葉の木材屋さんまで車で取りに行きました。あとはたまたま縁があって、建て壊しの際に出る廃材などを譲ってもらったことも。おかげで材料費はかなり安く抑えることができました」
木工家具を手がける兄のツテで材料が安く手に入るのも、Mさんにとっては幸運だった
ちなみに、こちらの机はお兄さん作。部屋のテイストに合う家具を安値で譲ってもらうことも多いという
取材・文／榎並紀行（やじろべえ）撮影／藤本和成取材協力／
DIYP
賃貸カスタマイズ＆DIY 築28年のアパートを、美しく快適な空間に再生｜SUUMO(スーモ)
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