住宅設備の基礎知識(屋根材)

公開日 2009年08月19日

住まいを風雨から守り、デザイン性を左右する素材

屋根は外壁と同じように住まいを外側から覆い、風雨や暑さ寒さから守ってくれる。外から見える瓦やスレートなどの仕上げ材だけでなく、その下には防水紙や下地材(野地板)、断熱材が施され、これらが仕上げ材と一体になって屋根としての機能を発揮することを知っておきたい。
だがここでは、屋根材=仕上げ材としてその選び方を解説していこう。

(右)紫外線に負けない「グラッサコート」仕様。天然スレート調乱葺きデザインの完全無石綿屋根材●ケイミュー

屋根材の種類は4系統。耐候性を重視して

屋根材は、下表の4系統。日本で最も多く見かけるのが、粘土系とスレート系だろう。粘土系は、釉薬瓦と無釉瓦があるが、一般的なのは釉薬瓦。価格も手ごろで、多彩な色が出せるのが特徴だ。スレート系の代表格が化粧スレート。手ごろな価格で色やデザインのバリエーションが多い。薄くて軽く、耐久性、耐候性ともに優れている。最近では独自の製法を用いて吸水率・含水率を低くし、より耐久性を高めた製品もあり、コスト的に瓦を上回るものも。このほか、モダン住宅でよく見かけるのが金属系のガルバリウム鋼板。セメント系のコンクリート瓦は、輸入住宅でも多く使われる。建物のデザインとともにメンテナンスやコストをしっかり確認して選びたい。

特徴・性能
粘土系 釉薬瓦(陶器瓦)と無釉瓦(いぶし瓦)に分かれる。瓦は焼き締めることで強くなり、耐久性は半永久的。一般的な陶器瓦は「和形」と洋風の「平形」があり、住まいの洋風化に伴い、スペイン瓦や波形などの平形の種類が増えている
スレート系 彩色スレートと天然スレートがある。彩色スレートは価格も手ごろで広く普及。粘土瓦より薄くて軽く、耐久性、耐候性ともに優れる。とくに表面に無機系のトップコートを施した商品は耐久性がより増して、長く美しさを保てる
金属系 ガルバリウム鋼板やカラートタンなど。軽量で加工性が良く、複雑な形状の屋根に最適な材料として知られる。最近ではシンプルモダンな住宅にも多く使われている。アルミなど非鉄金属は比較的高価だが、サビに強く耐久性に富む
セメント系 プレスセメント瓦やコンクリート瓦がある。スレートと同じくセメントが主原料だが彩色スレートより材料が厚いため厚形スレートとも呼ばれ、瓦に近い重量感がある。コンクリート瓦はヨーロッパでは歴史ある伝統的な屋根材

価格は、素材と、屋根形状、勾配にも左右される

屋根材のコストは、材質だけでなく形状や勾配も影響する。 例えば、シンプルな形状の切妻屋根のほうが寄棟よりも割安になる。寄棟は面が多いので手間がかかるし、工事面積も増えるからだ。

(右)【屋根勾配の考え方】例えば4 寸勾配とは、底辺 10 に対して高さが4 のこと

同様に勾配がきつい、軒の出が深い、重なりが多いなどの形状も、コストアップにつながる。ちなみに屋根勾配は30度などの角度ではなく下のような勾配で表される。屋根は面積が広いため少しの単価差が大きく価格に影響するので注意したい。

(右)伝統と新しさを兼ね備えた屋根瓦

【屋根の形と勾配】屋根の形の基本は切妻、寄棟、入母屋 の3つ
【勾配別屋根形状の価格差】屋根の価格は、切妻、寄棟、入母屋と複雑になるほど高くなり、勾配が きつくなっても高くなる。デザイン性やメンテナンス性も考慮しよう
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文/香川喜久江
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