多く使われている壁・天井の仕上げ材は、ビニールクロス。安価で耐久性があり、色・柄が多彩なことなどが理由。石膏ボードなどの下地に、接着剤を用いて張るだけなので施工も簡単だ。壁紙のほかには珪藻土や石膏などの塗り壁材も人気だ。手塗り独特の雰囲気のある仕上がりが特徴。珪藻土のようにVOCを吸着する内装材が増えている。
(右)強力な汚れ防止加工が施 され、乾いた布で汚れが落とせる。フッ素樹脂フィルムをラミネートした壁紙●サンゲツ
ビニールクロスの表面材の主な材料は塩化ビニールで、最近は抗菌仕様や脱臭効果のあるものが多くなっている。また、環境問題に配慮して焼却したときに有害物質が発生しにくいオレフィン樹脂を使ったものもある。いずれも価格は同程度。壁装材はほかに紙および布製があり、よりやわらかで独特の味わいがある。価格はビニールよりもかなり高くなる。
(右)【ビニール】シンプルで落ち着いた色の標準的なビニールクロス●リリカラ
ビニールクロスのよいところは、どの商品もあまり価格差がなく、安いところ。どのような色や柄を選んでもあまりコストに影響がない。同じ色・柄のビニールクロスで各室を統一すると、材料に無駄が出ないので最も安くできる。ただ、そればかりでは味気ないので、例えば寝室には和紙あるいは布の壁紙を用いて変化をつけるなどの方法も考えたい。
(右)【紙】柄を漉きこんだ比較的リーズナブルな紙壁紙●リリカラ
(右)【布】繊維の持つ調湿効果を損なわずに施工性を高めた織物の壁紙●リリカラ
ホルムアルデヒドを始めとするVOC(揮発性有機化合物)を吸着してくれる健康素材も続々登場。この種の内装材としては珪藻土が有名だ。
(右)【調湿・消臭タイル】調湿と有害物質吸着性能、消臭・抗菌・抗カビ機能を備える●名古屋モザイク工業
そのほか、ボード状やタイル状になっていて、施工がしやすく、インテリアとしても見ごたえのあるものが各種出ている。いずれもビニールクロスよりは割高になるが、調湿効果や消臭効果もある。室内の空気をきれいに保つこれらの健康素材も検討してみよう。
(右)【珪藻土】60色ある珪藻土内装材。ホルムアルデヒドを吸着・分解。消臭、調湿も●四国化成工業
(右)【セラミック】粘土鉱物などを原料とし、微細な孔を持ち呼吸する内装材。タイル状でデザインも多彩。塗り材タイプも●LIXIL