フローリングには複合フローリングと、むく材の2種類がある。複合フローリングは、合板などの基材の表面に薄い突き板や樹脂シートを張ったもの。むく材は文字どおり1枚の板。その中間的なものとして集成材を用いたものもある。それぞれの違いは主に見た目の質感だ。価格は一般に複合フローリングよりもむく材が高くなる。
(右図)レッドパインのむく材のフロ ーリングの施工例。節のある素材だが、かえって、むく材らしい雰囲気がある●プレイリーホームズ
いまフローリングで多く使われているのは複合フローリング。表面材は突き板が主流で、これは薄くスライスした天然木。普及品では、突き板は0コンマ何mmという薄さ、中級品になると1mm前後、高級品では2~3mmになる。突き板の厚さは見栄えに影響する。厚いほど、木目も鮮やかになるし、ミゾを深くできるので天然木の感じに近づく。
(右図)【複合フローリング】基材の表層に特殊MDF(中質繊維板)を採用し、キャスター付きの椅子や家具を使ってもへこみにくい。ミゾもなめらか●パナソニック
一方、むく材は天然木をそのまま製材して使うもの。サイズも見た目どおり1枚1枚切り離されている。むく材の場合は表面に傷がついても、かえって味わいがあるという考え方もでき、塗膜もそれほど厚くする必要がない。あくまで自然な表情が持ち味といえよう。むく材のフローリングは、国産だけでなく海外からの輸入品も多い。樹種もさまざまそろっているが一般に価格は複合フローリングより高い。
(右図)【むく材のフローリング】レッドパインむく材のフローリング。無塗装で、厚さ30mmもあるタイプ●プレイリーホームズ
複合フローリングの場合、基材に張る材料の組み合わせによって、さまざまに機能性を高めることができる。例えば傷に対する強さや拭き掃除のしやすさなどの機能性を持たせている製品もある。
また、特殊な緩衝材や制振マットで合板を挟んで、遮音性を高めているフローリングもあり、2階の部屋に用いると、階下への騒音が減少する。
(右図)【傷に対する強さ】硬く頑丈なタスマニア産ユーカリ合板とタフテックベースにより、キャスター付き家具やモノを落としたときにできる凹み傷に強さを発揮●EIDAI