新築マンションのアフターサービス・管理 特別インタビュー 2011

公開日 2011年08月31日
新築マンションのアフターサービス・管理 特別インタビュー 2011

アフターサービス

アフターサービスの項目や対応年数を確認しよう

アフターサービスは売主の責任で行われる改修サービスなので、居住者である管理組合が主体となる管理とは異なる。入居後の一定期間、マンションのどこかに不具合が生じた場合に、無料で修理してもらえるのがアフターサービスだ。

ではアフターサービスが受けられる期間はどのくらいかというと、マンションの部位ごとに細かく決められている。たとえば壁紙のはがれや扉の立て付けは入居後2年、給水管の水漏れは5年、といった具合だ。なかには「外壁タイルのはがれは5年」「給水管の水漏れは10年」など、長めのアフターサービス期間を設定しているケースもあり、長く安心して住める点がメリットといえるだろう。

どんな不具合が何年のアフターサービスを受けられるかは、入居時に資料が渡されるケースが多いので、よく読んで不明な点は質問しておこう。また、建物として欠陥があるわけではなくても、入居者が不具合であると感じた場合、アフターサービスとして修理の対応をしてもらえることもある。「不具合というわけではありませんが、エントランスの床が自然石になっていたため、ベビーカーや車イスがガタガタして通りにくく、売主に相談して無償で直してもらったケースもあります」(四宮さん)
中高層住宅アフターサービス規準

中高層住宅アフターサービス規準
※社団法人 不動産協会の定めるアフターサービス規準より抜粋

入居後の問い合わせ窓口は明確なことが望ましい

アフターサービスでは、入居後の問い合わせ窓口が明確かどうか、対応がスピーディーかどうかも重要だ。会社によっては入居開始後2カ月間は専任のスタッフがマンション内に常駐し、入居者からの問い合わせに対応しているケースも。またアフターサービス専用の部署を設け、入居者からの声を商品企画などに活かせるようにしている会社もある。水漏れなど緊急時のアフターサービスを入居者専用サイトで受け付けるケースもあり、万一の場合も安心感が高い。

逆に好ましくないのは、設備機器の使い方などを各メーカーに直接問い合わせなければならないマンションだという。「入居時にはさまざまな機器の取扱説明書が渡されますが、すべてを理解するのはたいへんです。洗浄便座の電池が切れて水が出なくなったとか、リモコンの操作ミスで夏なのに床暖房がONになってしまったなど、不具合かどうかを入居者が判断するのはむずかしいこともあります。ちょっとしたことでも気軽に電話などで問い合わせられる窓口があると便利でしょう」(四宮さん)

入居後の問い合わせ窓口は明確なことが望ましい

点検の履歴を管理組合で残しておこう

点検の履歴を管理組合で残しておこう

アフターサービスでは入居後3カ月目や1年目、2年目に一斉点検を行うケースが多いが、その際の点検履歴をファイルにして管理組合に渡している会社もある。どんな部位でどんな補修が行われたかの記録が残っていれば、後々の修繕やリフォームの際に役立つだろう。逆に履歴が残っていないと、同じ場所で同じような不具合が発生した場合に対処方法を最初から検討しなければならず、手間とコストが余計にかかる場合も考えられる。

「点検やリフォームの履歴が残っていれば、マンションの資産価値にも良い影響を与えます。履歴が残っているかいないかで、中古マンション市場での価格にも差が出るケースがあるでしょう」(四宮さん)

管理サービス

管理員の能力とコミュニティー支援がソフト面のポイント

管理員の能力とコミュニティー支援がソフト面のポイント

入居後の管理では管理員の能力が重要になる。そのため、管理員の教育や研修に力を入れている管理会社も多い。「数百戸規模のマンションでも管理員さんが居住者全員の顔と名前を覚えているケースもあり、居住者も安心して暮せていました。逆に管理員の能力や態度に問題があるため、管理組合が管理会社に要望して人を替えてもらった例もあります。マンションの技術面や法律面など幅広い知識を持ち、第三者的な立場でアドバイスしてもらえる『管理業務主任者』の資格を持った管理員かどうかもひとつの目安になるでしょう」(四宮さん)

また管理会社や管理員がコミュニティー形成でも重要な役割を持つケースがある。入居後間もない時期に花火大会やクリスマス会、料理教室などのイベントを開催することで、居住者同士の交流が深まる場合も少なくない。「居住者同士が顔見知りになることは、防犯面でも威力を発揮します。もし不審者がマンション内に立ち入っても、すれ違う人みんなが挨拶してくれば退散することでしょう」(四宮さん)

管理員の日常業務・管理会社の定期点検がハード面のポイント

管理員の日常業務・管理会社の定期点検がハード面のポイント

ハード面の管理では、管理員や管理会社の日常業務の範囲がポイントになる。通常はエントランスや外廊下などの共用部分を点検管理することになるが、最近では住戸内の専有部分までサービス内容に含めるケースが増えているという。「電球の取り替えや窓ガラスの掃除といったメニューも含まれていると、特に高齢者にとっては安心でしょう」(四宮さん)

居住者間のルールである管理規約についても、チェックしておくことが望ましい。「管理規約よりもさらに細かいルールを定めた『使用細則』も重要です。例えばポストのチラシを捨てる場所があるかとか、出前の丼を置いておくスペースがあるかといった細かいことも、快適な生活を送るためには意外と大切なものです」(四宮さん)

マネー面では修繕積立金の管理・大規模修繕に向けた備えがポイントに

マネー面では修繕積立金の管理・大規模修繕に向けた備えがポイントに

マンションに入居すると、管理費と修繕積立金を毎月支払うことになる。管理費は主に管理会社の報酬として支払われ、修繕積立金は建物の修繕費用として積み立てられる。いずれも安ければよいというわけではない。「特に修繕積立金が安いと、大規模な修繕工事をする費用が足りず、一時金を徴収されることにもなりかねません。25~30年の長期修繕計画に基づいた適切な金額が積み立てられているかを確認しましょう。また想定外の気候が続くと建物の劣化も当初予想より早く進行することもあります。暑い日が続くと外壁のタイルが劣化しやすくなりますし、大雨で屋上の防水シートが傷むケースなどもあるので、長期修繕計画も5年に一度くらいは見直す必要があります」(四宮さん)

修繕積立金の額が適正でも、全員がきちんと支払わなければ必要な額が積み立てられない。その意味で、滞納者が出ないように管理会社が素早く対応してくれるかどうかも重要だ。「1カ月でも遅れたら催促し、管理組合の理事会などに報告する体制になっているかどうかがポイントです。また修繕積立金を管理会社名義の預金通帳に貯蓄しているケースも多いのですが、もし管理会社が倒産したらお金を取り戻せるかどうか心配になります。管理会社の経営状況もチェックしておきたいところです」(四宮さん)

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取材・文/大森広司(オイコス) イラスト/杉崎アチャ
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