変動金利か固定金利 私に向いているローンはどっち? 2010

公開日 2010年11月24日
変動金利か固定金利 私に向いているローンはどっち? 2010

時は20××年。戦国乱世の記憶がかすかに残る、とあるオフィスビルの昼休み。マイホーム購入目前の3人が住宅ローン選びであれこれ思案中。低金利の恩恵を受けられる変動金利か?安全第一の長期固定か?3人が選ぶ金利プランを軸に、それぞれのローンの仕組み、メリットや予想されるリスクと対処法を学んで住宅ローンが群雄割拠する今の時代を賢く生き抜こう!

住宅ローンの金利タイプは?

金利が変わったときの対処方法とは?

金利が上昇したら月々の返済額はどれくらい変わるのか?
変動金利で借りる場合に注意したいポイントと金利が上がった場合の返済額の変化を見てみよう。

【設定条件】/借入額2000万円を元利均等・35年返済で借りる場合。フラット35、変動金利ともにみずほ銀行9月の金利を適用。毎月返済額は100円未満、総返済額は1万円未満切り上げで表記

全期間固定型

金利はずっと変わらない

金利2.28%のフラット35を利用した場合

グラフ

毎月返済額が一定で見通しが立てやすい
完済まで金利、返済額とも一定で、先々の返済見通しが立てやすいのが魅力。代表格であるフラット35の金利(35年返済)は、2%台前半~3%前後と全期間固定としては過去最低水準だ。「変動型より金利は高めですが、金利上昇リスクを取りたくない人には安心なプランです」(竹下さん、以下同)

注目!フラット35Sの金利引き下げ幅が拡大
当初10年間の金利が1%違うと総返済額はこれだけ違う!

フラット35の金利が当初10年間-1%に!
フラット35の金利を当初10年間引き下げることで注目を集めているのが、フラット35S。フラット35全体の申し込み戸数は2 0 10 年4月~ 6月は3 万7000戸超に増加。そのうち8割をフラット35Sが占めている。なお、1%の引き下げは、来年12月30日までの延長が決まっている。

変動金利型

もしも6年目から金利が少しずつ上がったら

金利1.275%の変動金利を利用。6年目に適用金利が0.25%上昇。その後9年目まで毎年0.25%ずつ合計1%上昇し、以後金利は変わらないと仮定した場合

グラフ

ほんの1%の上昇で1万円近くアップ
変動金利の場合金利が上がってもすぐには返済額に影響は出ない。「ですが、毎月返済額の元金と利息の内訳が変わり、利息の割合が増えていきます」。10年の間にたった1%金利がアップしただけで、11年目には毎月返済額が1万円近く増えることも。毎月返済額に余裕がない人は注意が必要。

もしも6年目から金利が大きく上がったら

金利1.275%の変動金利を利用。6年目、7年目で適用金利が年1%ずつ合計2%上昇し、以後金利は変わらないと仮定した場合

グラフ

金利は上がり始めたら一気に上昇する可能性も
仮に金利が大きく上がっても返済額は直前の返済額の1.25倍まで。だが、元金の減りが遅くなるため、金利の上昇が収まった11年目でも毎月返済額はアップすることも。「現在の変動金利は史上最低水準。急激な上昇も視野に入れ、余裕のある返済計画を立てておきましょう」

金利が上がり始めてしまったら? もし本当に金利が上がり始めたら? さらに金利が上昇する気配を見せたら? ダメージを最小限にするための対処法も知っておこう。

対処法1 繰り上げ返済で元金を減らす

金利1.275%の変動金利を利用。6年目~9年目まで0.25%ずつ合計1%金利が上昇し、以後金利は変わらないと仮定。5年目後(60回目)の返済と同時に約200万円を繰り上げ返済(期間短縮型)した場合

グラフ

繰り上げ返済は早期実行がより効果的
変動金利のリスク軽減は短期返済。低金利のうちに繰り上げ返済で元金を減らし、期間を短縮しておけば、仮に金利が上昇してもダメージは小さい。左図の例なら、繰り上げ返済しない場合に比べ、総返済額は約160万円のトク。「金利の上がる前から、繰り上げ返済を実行しておけばよりリスク軽減につながります」

対処法2 固定金利に借り換える

当初5年間は金利1.275%変動金利を利用。6年目にフラット35(金利は現在より0.25%)上昇した2.53%と仮定)の30年返済に借り換えた場合

グラフ

金利が上がり続けるなら切り換え、借り換えも
同一銀行内で変動金利からの切り換えをする場合、選択肢は固定期間選択型のみ。ほかにはフラット35などへの借り換えが考えられる。「とはいえ、変動金利が上昇して借り換えたいと思ったときには、すでに固定金利も上昇している可能性も。変動金利だけでなく、固定金利の動きにも注意を払っておく必要があります」

私に合うのはどの金利タイプ?

金利上昇によるリスクが分かったら、あとは自分に合った金利タイプを選ぶだけ。
どれを選ぶかは、家族構成と世帯年収、そして将来の支出と収入の見込みでも違ってくる。
ここでは簡単に家族構成で、自分に合う金利タイプを確認しておこう。

シングル

変動型
ライフプランが変わる可能性のあるシングルの人は変動型で様子見も可。低金利の変動型で毎月返済額に余裕をもたせ、その分、買い替えに備え、現金を残しておくのがおすすめ

全期間固定型
教育費など将来に大きな支出予定はないものの、もしもの時に働き手を増やせないのがシングル。大きな収入アップが見込めない人は全期間固定型で返済額を安定させておきたい

専業主婦ファミリー

全期間固定型
夫のみの収入で、これから20年くらい、教育費がかかる家庭は、住宅ローンの毎月返済額は固定するのが安心。子どもの教育費が本格的にかかる前に繰り上げ返済をしておくと、後がラク

固定期間選択型
今は専業主婦だが、○年後にはパートに出て収入アップ、子どもの教育費の終了など、収入増や支出減の見込みが立つ人は、そのタイミングまで金利を固定する固定期間選択型でも可

共働き夫婦

変動型
当分子どもの予定がなく、共働きを続けるつもりなら、世帯年収の多いうちに、変動型で大きく返済を。夫婦それぞれでローンを組めば、リスクも分散できる。ローン控除も2人分利用できておトク

全期間固定型
収入は多いが、支出も多く、貯蓄が貯まりにくいという共働き夫婦は意外に多い。家計管理が苦手な人は、返済の見通しが立てやすい全期間固定型を選ぶのが安心な場合も

共働きファミリー

全期間固定型×変動型
共働きだが、出産などで一時的に収入減の可能性がある人は、ミックス返済という手も。夫の借り入れは全期間固定型で、妻の借り入れは額を少なめにし、変動型で短期返済が理想だ

固定期間選択型
小学生以上の子どもがいて、すでに教育費がかかり始めている家庭は、教育費終了までの期間の毎月返済額を固定。教育費が終わった後で、繰り上げ返済に励もう

まんが
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構成・取材・文/木村寿賀子 イラスト/木村吉見
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