回答者の年齢は30歳~34歳未満、35歳~39歳未満が多く、30代だけで全体の70.1%。世帯年収は600万円~800万円未満を中心に、400万円~600万円未満から800万円~1000万円未満までと幅広かった。一見、年収が高いように見えるが、ダブルインカムであることを考えると、格別年収が高い人たちが住宅を購入しているのではなく、あくまでも平均的な収入の人たちのよう。
住宅形態ではマンション購入者も多かったが、一戸建て購入者の割合も高め。間取りは79.3%の人が3K~3LDKから4K~4LDKいずれにしても、将来、家族が増えることも見据えての結論のよう。また、新築物件の割合が7割と高いのも共働き夫婦の特徴。「結婚」をきっかけに住宅購入をする人が多いため、「新しい門出には新しい住居を」と考えているのかも。
世帯年収別に見ると、世帯年収が高くなればなるほど、新築マンションを購入する傾向に。特に世帯年収1000万円以上の人では50%以上の人が新築マンションを購入。一方、世帯年収が400万円~1000万円未満の人では、年収が下がれば下がるほど、建売住宅の人が増加していた。返済を考えた場合、年収が限られている人ほど、最初の住宅にできる限り長く住んでおきたいと思っているようだ。
夫婦=ふたりであるため、ある程度の広さが必要なのは当然で、最も多かったのが60m2~80m2未満。60m2未満の人が11.2%しかいないことを考えれば、多くの人が「ふたりで住むには60m2は必要」と考えているよう。また、80m2~100m2未満の割合も比較的高いのは、すでに出産予定がある人も含め、将来子どもを持つことを前提に住宅購入をしている人も多いからだ。
名義とは、所有者=資金出資者のこと。そのため、共働き夫婦の場合はお互いに収入があり、夫婦で資金を出し合うことができるため26.3%の人が夫婦共同名義に。逆にいえば、共働きであるにも関わらず68.1%が夫名義。これは「夫婦の所得格差が大きい」、あるいは「住宅・光熱費関係は夫、日々の生活費は妻」など、支払いの役割分担がなされているからなのかも。
共働き夫婦の特徴は、長く住むことを前提に住宅購入をした人が多いこと。ただし、将来的に子どもができることを見据えて購入した人だけでなく、「とりあえず、ふたりのために購入。子どもができた時にはその時に別途考える」という人も。そのため、数年後に住み替えを検討している人の割合も21.1%と少なくない。ちなみに、投資と答えた人は比較的世帯年収が高いマンション購入者に多かった。
購入価格で最も多かったのは3000万円~4000万円未満。世帯年収別では、当然、年収が高いほど物件価格が高くなる傾向に。とはいえ、世帯年収600万円以上になると価格帯にバラツキがあり、例えば、世帯年収600万円以上の人の中には、2000万円未満の物件を選ぶ人から7000万円以上の物件を選ぶ人までいた。購入可能な物件は年収で限られてしまうが、購入物件は必ずしも年収だけによらないことが分かる。
頭金に500万円以上を用意した人が約半数。さらに細かく見ると、1000万円以上用意した人が25.8%いた。夫婦であるため、ふたりで資金を用意できること、「結婚」に当たって計画的に結婚資金・住宅資金を貯金している人が多いのがその理由だ。また、頭金の調達方法では親からの援助と回答した人が46.0%。互いの親からの進言によって住宅を購入するケースも多いため、強力な資金支援者を得られやすいよう。
共働きでダブルインカムであるため、月々の返済額が高いかといえばそうでもなし。5万円~10万円未満の割合が59.9%と高かった。次にローン返済者を見てみると、当然のことながら名義人の結果とほぼ一致。やはり支払いは担当制のよう。また、返済全体に関してのコメントを見てみると、現在の不景気・将来の経済への不安を反映、あるいは、子ども誕生後の資金なども考え、手堅く返済をしているといった様子もうかがえる。
「家賃がもったいない」が断トツ1位。ただ、共働き夫婦の場合、”「結婚」を機に“という理由が多く、40.9%。2位の「いつか自分の家を」も実はリンクしていて、「いつか」を考えるきっかけが「結婚」になりやすいからのようだ。また、コメントで目立ったのは「周囲が家を買ったのを見て」「子どもができる前に」「会社の住宅補助が切れる」「親からの進言」など。共働き夫婦の場合、ふたりの意志以外にも多くの要因がありそう。
注目したいのは「手放すことになったときの対処」について心配している人の割合が多いこと。「長く住みたい」と思っているため、「もし、ローン返済ができなかった場合は…」と必要以上に心配してしまうよう。またコメントでは、「欠陥住宅ではないか」「子どもが生まれた後の返済は」といったことや、自分の力ではなんともできない「天災で住宅を損失したら?」なども目立った。そのため、未だに不安を持ち続けている人の割合も少し高めに。
納得のいく住宅探しのためには物件見学数も重要。過半数以上の人は2件~5件を見学していた。その結果、共働き夫婦が何を重視したかを表すのが下のグラフ。最も気になりやすい価格はもちろん、ほかにも通勤・交通アクセス/最寄駅からの時間などの利便性や、環境や設備を重視している。また、マンションもしくは一戸建て、新築もしくは中古を重視した人が約4割。先にも触れたように、結婚を理由に購入をする人が多いため、住居形態や新しさにはこだわりが強いよう。
特になしが18.5%。全体的に、こだわりを貫いた住宅購入ができたよう。とはいえ、広い庭があること/敷地面積が広いことなどや、「重視したこと」でも上位にランクインした”通勤時間”に関わる項目を選んだ人も多数。実際に通勤時間では、購入前後で時間が変化した人はほぼナシ。いずれも、設備・仕様/間取り・部屋数/価格などの自分の力では変えられないことではなく、我慢すれば何とかなりそうな項目が「あきらめ」リストの上位に入ってくるようだ。