不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > 賃貸・賃貸マンション > 賃貸カスタマイズ&DIY > 下町の築古部屋がDIYリノベでクールモダンに変身!

賃貸カスタマイズ&DIY もっと自分らしい賃貸ライフを楽しもう!

入居者プロフィール
  • ●名前:谷川智則さん(33歳)
  • ●職業:会社員(グラフィックデザイナー)
物件データ
  • ●所在地:東京都台東区
  • ●築年数:築41年
  • ●アクセス:最寄駅から徒歩5分
  • ●面積:31m2
  • ●間取り:1R
  • ●家賃:6万5000円(管理費込み)
  • ●入居時期:2015年4月
間取り
間取り拡大図 閉じる
古さを感じさせないシンプルなかっこよさ
ノスタルジーを感じる東京のイーストサイド、台東区にある築41年のマンション。建物の1階には渋めの居酒屋やスナックがテナントで入居しており、2階から上の新規空き部屋はほぼ全部屋DIYで改装可能な賃貸住居として募集されている。今回紹介するのは、そんな下町情緒に満ちた趣があるマンションの一室だ。
広い窓から陽光が差し込む明るいワンルームは、趣味の自転車やアンティークの収納棚が目を惹く。グラフィックデザイナーという仕事柄もあってか、部屋づくりの空間イメージは自然と膨らんでいったそう。加えてネットで見つけたいいと思う部屋を参考にしながら、改装する場所を固めていった。
「部屋のなかにいろいろなインテリアや物を置くのが好きなので、土台となる部屋全体のデザインはできるだけスッキリさせることを考えた」と谷川さんは言う。
確かに部屋の作りは極めてシンプル。しかし、照明の取り付け方や塗装箇所などを、よくよく観察すると、随所に細かいこだわりが見えてくる。
天井パネルを解体して露出させたコンクリートに開けられていた穴を利用して取り付けた照明器具。ベースとなる木材にスライド式の配線レールを取り付けることで照明を好きな位置に移動可
天井パネルを解体して露出させたコンクリートに開けられていた穴を利用して取り付けた照明器具。ベースとなる木材にスライド式の配線レールを取り付けることで照明を好きな位置に移動可
もとはシルバーのアルミサッシだった窓枠を黒のペンキで塗装。全体から見るとごく一部分の塗装だが、部屋がぐっと引き締まった印象になる
もとはシルバーのアルミサッシだった窓枠を黒のペンキで塗装。全体から見るとごく一部分の塗装だが、部屋がぐっと引き締まった印象になる
希望のエリアで改装可物件を探し当てる
こちらの物件に引越す前、1年ほど暮らしていた池袋の賃貸で、初めてDIYによるフルリノベーションを体験。
「もともとインテリアづくりや部屋の改装が好きだったので、いつかフルリノベーションできる部屋に住みたいとは思っていました。池袋の物件では、ネットにアップされている情報をもとに独学のDIYで部屋を全面カスタマイズしてみました」
しかし、カスタマイズが完成すると『もっと広い部屋をいじってみたい!』という欲が出てきたという。
「部屋を改装する楽しさに目覚め、もっと広い部屋をDIYで改装してみたいと思うようになりました。カスタマイズ魂に火が付いちゃったんですね。それで、更新時期までまだ期間はあったんですけど次の素材となる部屋を探し始めたんです。池袋よりも東京の東側の下町っぽい雰囲気が好きだったこともあり、エリアを絞って物件を探していたところ、友人に教えてもらったomusubi不動産のサイトでこの部屋と巡り会いました。」
すぐに内見をしてみると、賃料も立地も理想としていた物件そのままだったとか。そこから2週間ほどかけてDIYの改装イメージを固めたのち契約。フリーレント期間の2カ月を利用し、「天井」「床」「壁」をメインに改装を計画、池袋の旧居から通いながら土日を中心に作業を進めていったそう。
(Before)築41年と時間は経っているものの、リフォームされていることもあって古さは感じない
(Before)築41年と時間は経っているものの、リフォームされていることもあって古さは感じない
(After)フリーレント期間で改装した箇所を大きく分けると「天井」「床」「壁」の3つ
(After)フリーレント期間で改装した箇所を大きく分けると「天井」「床」「壁」の3つ
経年変化を前提に目指したのはプレーンな空間
今回の部屋づくりのコンセプトは「できるだけ空間を広く、そして全体をシンプルに」。
まずは天井を高くするため、居室スペースの天井パネルを剥がすところからスタート。これにより、20cmほどの高さを確保できた。
続いて、壁紙を剥がして残った下地部分に直接白いペンキを塗装。
また、床張りはさすがに一人では大変ということで、DIYに詳しい友人に頼んで4日ほど手伝いに来てもらって共同で作業。ちなみに床張りと壁塗装以外はほとんど谷川さんが自力で行ったそう。
「雑貨や調度品、自転車などが好きなので、いつも暮らしているうちに物が増えていってしまう。結果、雑多な部屋になってしまいがちなので、天井や壁、床はできるだけシンプルにしたかったんです。また、フローリングの床は傷がついても味が出るような針葉樹の木材のなかから、安いものを選んでいます。僕はこまめに手入れする方ではないので、経年変化しても味が出るような素材がいいと思って」
せっかくDIYした部屋に傷がつくのは嫌なものだ。しかし経年変化を前提に材料を選んでおけば、傷も部屋を飾る演出となるため、ストレスも回避できそう。
天井にバールで穴をあけてクロスと合板をめくるように剥がし、構造躯体のコンクリートをむき出しにする
天井にバールで穴をあけてクロスと合板をめくるように剥がし、構造躯体のコンクリートをむき出しにする
壁はクロスをはがした上からローラー(左上)を使って白いペンキを塗装。室内を広くみせるために廻り縁(木枠部分)も白く塗っている
壁はクロスをはがした上からローラー(左上)を使って白いペンキを塗装。室内を広くみせるために廻り縁(木枠部分)も白く塗っている
マイペースでゆるく構えるのがDIYを楽しむコツ
谷川さんのDIYスタイルはいたってマイペース。
「休みの日に作業しに足を運ぶものの、近隣には業務用厨房機器専門店や小道具屋、飲み屋などが多く、その魅力にどっぷりと浸かってしまって、結局一日何も作業せずにだらだら過ごすこともしばしばありました。本当だったら一通りの作業が終わるのに2カ月も掛からなかったはずなんですよね(笑)」
ついつい気張りがちなDIYだが、そんな気楽さを持って作業することも必要なのかもしれない。一方で、準備だけは抜かりなく行ったという。
「DIYは準備がすべてだと思っています。そのためオーナーに提出するDIYの施工箇所を示す書類や施工日程などは、しっかりと作成しました。始める前にしっかり決めておくことで、後から計画をむやみに変更したりせずに済みます。施工の内容が固まったら、DIY箇所の寸法をしっかり測っておくことが重要。実際、僕も施工期間の3分の1くらいの日数をかけて寸法を測っていましたね。計測で手を抜いてしまうと、材料が余ってしまったり、組み立て直さないといけなくなったりして、後々大変なことになってしまいかねません」
これだけ手掛けているのだがかかった費用を聞いてみたところ、作業に入る前にリノベ内容を徹底的に詰めたことで無駄なコストもかからず、当初決めていた10万円という予算内で収まったそう。準備に手間を掛けることも、セルフリノベ成功のコツなのかもしれない。
「今後、余裕があれば天井を白に塗装したり、むき出し状態の配管に目隠ししたいなと考えています」という谷川さん。
気の向くままにちょっとずつセルフカスタマイズしながら、これからも部屋をづくりを楽しんでいきたいと話してくれた。
(左・Before)元は一人暮らし向きの賃貸アパートでよく見るキッチン/(右・After)ステンレス製の業務用の流し台やコンロを設置。天井パネルを残した部分は収納スペースとして活用
(左・Before)元は一人暮らし向きの賃貸アパートでよく見るキッチン/(右・After)ステンレス製の業務用の流し台やコンロを設置。天井パネルを残した部分は収納スペースとして活用
改装内容と工程を細かく記したスケジュールを作成(左)。改装箇所および内容が一目で分かる図面も自作してオーナーに提出(右)
改装内容と工程を細かく記したスケジュールを作成(左)。改装箇所および内容が一目で分かる図面も自作してオーナーに提出(右)
不動産会社からのメッセージ
omusubi不動産 殿塚建吾さん

omusubi不動産
殿塚建吾さん

古き良き建物をいいかたちで残していくために
DIYリノベと入居者同士の交流の場づくりを大切にしている

私自身が古い建物が好きだということもありますが、築年数が経つ建物は"古い"という理由だけで取り壊されてしまうため、いいかたちで残していくことができないかと模索した結果、DIYや改装が可能な物件として残していくスタイルを提案しています。
DIYで部屋を改装するのは、簡単ではないこともありますが手をかけた分だけ愛着も湧きますし、建物の構造を理解したり、リノベーションのプロセスを体感できるとても貴重な機会だと思います。また自分らしい部屋づくりをする楽しさを実感することで、暮らしの満足度も上がるのではないかと。
興味があるけどDIYは自信がないという人には、弊社がアドバイスをしたり、DIYに詳しい人に会える機会を作るようにしています。実際に入居者のなかには大工さんや塗装屋さんがいらっしゃるので、月に1回程度、定期的に飲み会などを開催して入居者同士が交流できる場づくりを行っています。部屋をカスタマイズしていると、分からないことや不安なことが出てきます。そんなときに、助け合える人のつながりを仲介する不動産屋でありたいと思っています。

取材・文/末吉陽子(やじろべえ) 撮影/飯田照明
取材協力/omusubi不動産
前の実例 次の実例

賃貸カスタマイズ&DIY 下町の築古部屋がDIYリノベでクールモダンに変身!|SUUMO(スーモ)

不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > 賃貸・賃貸マンション > 賃貸カスタマイズ&DIY > 下町の築古部屋がDIYリノベでクールモダンに変身!

↑ページの先頭へ戻る

ページトップへ戻る