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- ●名前:岡田伸也さん(35歳)
- ●家族構成:独身
- ●職業:クリエイティブディレクター
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- ●所在地:東京都千代田区岩本町
- ●築年数:築26年
- ●アクセス:都営新宿線岩本町駅 徒歩5分
- ●間取り:1K / 23.60㎡
- ●家賃:9万7000円(管理費込み)
- ●入居時期:2011年7月
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部屋に入ってまず目を引くのが壁一面に設置された棚のディスプレイ。テレビ、オーディオ、愛読するインテリア雑誌、観葉植物、洋服、均一サイズの収納ボックスなどがバランスよく飾られ、センスの良さを感じさせる。
「ディスプレイするときにまず考えるのは『何を見せて何を隠すか』ということ。生活感が出るものや細々とした雑貨類は収納ボックスに隠し、趣味の洋服や建築系の雑誌といった“見せたいもの”を目立つ位置に並べています。
収納ボックスは大きさをそろえると整然と配置できます。カラーリングもあえて落ち着いた色を選んで、見せたい部分の印象が際立つようにしていますね」(岡田さん)
まずテレビの位置を決め、バランスを考えて小物を並べていった
棚の目立つ場所は、趣味や仕事で携わった作品のスペースに
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しかもこの壁、棚板を取り外したり、棚板の高さを自由に調節することもできる。その名も「カスタムウォール」。
置くモノのサイズに合わせて高さを変えられるため、引越す度に家具を買い替える必要もない。
「部屋の事情に合わせて家具を選ぶんじゃなく、自分がいま持っているものに合わせて部屋をカスタマイズする。賃貸でこれができるのは素晴らしいですよね。それに、洋服なんかは季節によって嵩(かさ)がけっこう変わるので、ボリュームに合わせて高さを微調整できるのもありがたいです」(同)
収納棚は約20kgの重量に耐えられる
棚は取り外したり、自由に高さを調整することができる
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また、この「カスタムウォール」は釘を打つのも、ペンキを塗るのもOK。住む人の感性によって使い方は自由自在だ。
「最初に『この壁は何やってもいいですよ』って言われたんです。そう言われると逆に何をしていいか分からないんですけど(笑)、とりあえず壁に釘を打ってネクタイをかけるフックとして使っています」(同)。
ちなみに契約書には“カスタムウォールについては、借主に原状回復義務はないものとする”と明記されている。
このように契約の段階で、どこまでのカスタマイズが許容されているかをハッキリさせておくことも重要なポイントだ。
釘を打つのも色を塗るのもOK。自由な感性でカスタマイズできる壁
原状回復に関する取り決めが契約書に明記されているため安心
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天井はむき出しのコンクリート、床にはラーチ合板を使用。ラーチ合板は壁や床の耐震構造用に使われる面材で、通常は壁紙などの仕上げに隠れてしまうものだ。しかし、あえて木目の荒々しい質感を見せることで、個性的な空間を演出している。「家具も無印良品の天然素材を使ったモノが好きだし、自分の生活にはこういうラフな質感が合っていると思います」(同)。
仕上げをカットした分スペース的にも余裕が生まれ、部屋を広く使えるのも利点。一石二鳥の工夫で1Kの魅力を最大限に引き出している。
コンクリートの天井に取り付けられたスポットライトは光の調整も自由自在
木の質感が心地よい床。一般的なフローリングに比べ、汚れも目立たない
取材・文/榎並紀行撮影/藤本和成取材協力/リヴァックス株式会社